9日、都内にて映画『ユリゴコロ』キックオフ会見がとり行われキャストの吉高由里子、松山ケンイチ、松坂桃李、清野菜名、木村多江、佐津川愛美、監督の熊澤尚人らが出席した。
家で見つかる一冊のノート。”ユリゴコロ”と記されたそのノートに書かれていたのは悲しき殺人者の記録。その内容が事実か創作か、その家族とどんな関係があるのか。様々な疑念の先に待っている驚愕の結末とは。沼田まほかるベストセラーミステリー小説を熊澤尚人監督がメガホンを取り実写化。非情っqな運命を背負った殺人者、美紗子役を吉高由里子が、彼女と運命的な出会いをする洋介役を松山ケンイチが、そしてノートを発見しその秘密に迫っていく亮介役を松坂桃李がそれぞれ演じ、過去と現在を交錯させながら描く。
吉高は「脚本を読むのに時間がかかる方なんですが、(ユリゴコロは)あっという間に読み終わったことを思い出しました。自分が殺人をする役なのですが、今までそういった役をやってこなかったのでそこには興味が湧いて”やってみたいな”と思い挑みました。」と語り、過去編と現代編を別々に撮影した兼ね合いもあり「今こうして(キャスト)が並んでいるのですが、全然親近感がわかなくて、別の現場の方達なのかなと思うくらい交わってないので(笑)」と冗談っぽく告白。
本作について松山は「なかなか見たことのないジャンルだなと。自分が演じたことのない役所だったし、脚本に書かれていることのニオイが90年代の映画のような感じがして好感が持てたんですよね。由里子ちゃんだし、熊澤さんなので新しい発見とか、新しい感覚が得られるんじゃないか、いろんなところに連れて行ってもらえるんじゃないかという思いがあったのがすごく印象に残っています」と語った。現代編を撮影しない中で過去編を撮影することについて問われると「最初に撮ってるので楽ですよね〜。たぶん現代編の方の方が答えが与えられている分、難しかったのではと。こっち(過去編)は好き勝手やっていた気がしますね」と現代編のキャストに心配りをするコメントがあった。
松坂は「僕は過去の方は見ませんでした。1冊のノートが過去編に大きく関わっているので、なるべく映像は見ずに想像で撮影して行きたいなと思っていました。台本にはたくさんト書きが書かれていたのでワクワクしながら読み進めていって作品に臨んだ感じですかね」とフラットな状態で臨んだことを明かした。
吉高は「共演していった人がどんどんクランクアップしていくんですね。長い間、一緒だった共演者が松山さんだけだったので、ようやくひとりぼっちじゃなくなってホッとしたし、すごく嬉しかったし、もっとお芝居を見ていたいなと思う役者さんでした」とコメント。一方、松山は「ありがとうございます。初めて由里子ちゃんにあったのは10年前で、現場ではないところだったんですけれども、その時からクセの強そうな女の子だなと思っていて」と第一印象について語り始めると、「ポジティブに書いてくださいね」と吉高が釘を刺し報道陣を笑わせる一幕も。「もちろんポジティブな意味ですけどね(笑)。テレビとか見ててもクセ強い演技だなぁと思っていて、そういう人が本当に大好きで、何度か共演はあるんですけども、僕が刺し殺す役だったりとか、出番が違うシーンだったりとかで、今回一緒にやれてすごい嬉しかったです。ミステリーなんだけどギャグかと思うシーンもあって、ずっとスッポンポンでね(笑)」と松山が撮影を振り返ると、「グリーンバックのシーンはね。ずっと金太郎だったね」と吉高はにっこり。
印象に残った撮影について、松坂は「オムレツを作ったんですけどほとんど誰も食べてくれませんでした」と残念そうに語ると、清野は「私も添えてあるトマトだけ食べました」と追い打ちをかけた。
最後に吉高は「昨日撮り終わっているので、本当に2ヶ月後に公開できるのかな?大丈夫?何か手伝う?」と不安げな様子だったが、「そこは熊澤監督が”ピシャッ”と決めてくれると思うので仕上がりがとっても楽しみです」と熊澤監督への期待を膨らませた。
『ユリゴコロ』は9月23日(土)より全国公開。